サーフィン検定と聞くと、中上級者向けのイメージが強いと思います。
しかし実際はそれだけではありません。
初心者サーファーこそ検定を目標に練習すれば上達が早まります。
初心者のうちは心も折れやすく、あきらめてしまう傾向が強いので、検定という明確な目標を持つと、サーフィンへのモチベーションを保ち続けられます。
今回はサーフィン検定について解説します。
この記事の内容
1.NSAサーフィン検定資格について
NSA(一般社団法人 日本サーフィン連盟)(Nippon Surfing Association)は年に何度かサーフィンの検定を行っています。
検定の目的はジャッジが客観的に見て受験者の現在のサーフィンレベルを把握してもらうことです。
ショートボード、ロングボード、ボディボードの各種目に1~5級の階級があり、級ごとの課題をクリアできればステップアップしていくことができます。
検定後に課題に対するアドバイスをもらえるので自分に足りないところが明確になり練習にもお取り組みやすくなります。
またビギナーサーファーへのルールとマナーの周知をする機会にもなっています。
受験することで多くのメリットがあります。
2.級別に要求される技術と審査方法
1~5級の級別で、課題となる技術、審査方法があります。
1階級ごとに課題と求められる技術が異なるので、一つずつクリアしてステップアップしていくようになります。
5級の課題
受験資格:どなたでも受験できます
- ある程度の泳力があること。
- パドリングをしてゲッティングアウトできること。
- テイクオフしてある程度サーフボードの上に立つことができること。
- ボディボードはキッキングを使ってテイクオフし、ある程度ライディングができること。
4級から5級の審査について
4、5級は試技本数の中で規定の技術ができれば合格です。(1ウェーブですべての技術ができなくても構いません)
5級の審査基準
1.泳力審査
ビーチと平行にある程度(目安25m)程度泳ぐことができれば合格です。
(泳ぎ方は自由です)
2.ライディングの審査
・パドリングの時にボードが安定していること
・テイクオフからある程度まっすぐ波を滑ること
以上ができれば合格です。
パドリングの時にボードが不安定だったり、テイクオフの動作(立ち方)が不安定だと
不合格となります。
4級の課題
受験資格:5級取得者またはNSA正会員(5級試験免除者)
- 5級の能力に加えてテイクオフから確実なターンをし、プルアウトできること。
4級の審査基準
4級ではテイクオフから確実なターンをして、横に走ってからプルアウトできれば合格です。
ターンは、方向が変わればトップターン、ボトムターンのどちらでもよいですが、プルアウトは確実に波の裏側に出ることが求められます。
出典:NSA
3級の課題
受験資格:4級取得者
- その日のコンディションに合わせたアベレージスケールに入るターンが出来ることが、合格判断基準となる。
- テイクオフからレールを使ったターンで加速できること。
- カットバックもしくはリエントリーができること。
- ボディボードは、上記の技術に加えスピンまたはエルロロができること。
- ロングボードは上記の技術に加え、ウォーキング・ウォーキングバックができること。
3級の審査基準
3級ではテイクオフからレールを使ったターンで加速できているかを審査し、リエントリーもしくはカットバックができることが求められる。
※波の状況を見て、リエントリー、カットバックどちらかやり易い方をアドバイスしてください。
※ロングボードは加えてウォーキング、ウォーキングバックができることが求められる。
※ボディボードは加えてスピンまたはエルロロができることが求められる。
※審査はフリーライディングを行いアベレージレベルのターンが求められる。
(リエントリー)
リエントリーは、ボトムからトップへアプローチできているかが求められる。
波の中間からのアプローチは不合格となります。
出典:NSA
(カットバック)
波によって違いますが、だいたい波のショルダーからボードの方向が変わり、スムーズにレールを使って次の動作に入る体勢ができていれば合格です。ただし、失速しているカットバックは不合格となります。
出典:NSA
<ロングボードの審査ポイント>
(ウォーキング、ウォーキングバック)
ステップがスムーズか、動作の時にボードがコントロールされているかを審査します。
<ボディボードの審査ポイント>
(スピン)
360度回り切れてライディングが続けられているかを審査する。(フォワード、リバースどちらでも良い。)
2級の課題
受験資格:3級取得者
- その日のコンディションに合わせたグッドスケール(6.0以上)に入るライディングができることが合格の判断基準となる。
- フリーライディングで、スピード、パワー、フロー、コントロールなどをジャッジクライテリアに沿って審査する。
1級の課題
受験資格:2級取得者
- その日のコンディションに合わせたエクセレントスケール(8.0以上)に入るライディングができることが合格の判断基準となる。
- フリーライディングで、スピード、パワー、フロー、コントロールなどをジャッジクライテリア(基準)に沿って審査する。
- 2級以上の積極性、波を見る能力、ポジショニングなども審査の対象となる。
1級、2級の審査基準
1、2級の審査基準、合格基準をわかりやすくするために、その年のジャッジクライテリア(基準)と採点スケールを導入して審査を実施します。
審査はフリーライディング行い、マキシマムウェーブの中で規定科目技量に入るライディングができれば合格とします。
(補足)
以前の検定と比べて合格基準に変更はありません。採点スケール、ジャッジクライテリア(基準)はこれまでの合格基準をわかりやすく表現するための指標と考えてください。
<ロングボード、ボディボードについて>
これまで、ロングボードはノーズライディング(ハングファイブ、ハングテン)、ボディボードはエルロロとフェイスでのフォワード、リバーススピンを取り入れることが1級または2級の合格条件となっていましたが、これらは「必須」ではなくなります。
しかしながら、これらのメジャーマニューバーを取り入れて演技することがグッドスケール(2級)、エクセレントスケール(1級)に入るポイントを出すには「近道」といえます。その日のコンディションで合格するにはどのようなライディングが求められるかマスタージャッジのアドバイスをよく確認して、検定に臨んでください。
3.サーフィン検定の受験方法
サーフィン検定を受験するのは簡単な手続きだけでOKです。
事前の受験予約などはなく、当日、会場に行き、申込書を記入して受験料を払えば完了です。
①開催スケジュールを確認して当日会場に行きます。(サーフボードなど、検定受験に必要なツールは、各自ご準備下さい。)
②会場にて受験者カードを記入して証明写真(タテ4cm×ヨコ3cm)を貼り、受験料2,000円と一緒に提出します。
証明写真は忘れずに持って行ってください。
また認定級を持っていれば1級から4級を受験する場合はクラス認定証が必要になります。
③受付のスケジュール表などで、受験者カードの受験級・ヒート番号とともに確認して順番を待ちます。
④マスタージャッジから招集がかかったら受験者カードを渡してゼッケンをもらいます。
この時に、合格基準の説明とアドバイスをもらえるのでしっかりと聞きましょう。
当日のスケジュールに余裕がある場合は1回検定に落ちても受験料を支払えば志度受験することも可能です。
4.サーフィン検定のルール
サーフィンコンテストと同じように検定にもルール、レギュレーションがあります。違反をした場合もペナルティがあるので充分注意しましょう。
検定は原則1ヒート15分、6本の波に乗ることができます。ヒート途中でも合格と判定されればその時点で終了です。
妨害行為があった場合、(前乗りなど)妨害をした選手はその波を1本に数え評価を無効とします。
妨害された選手は、エクストラウェーブとしてもう一本追加で波に乗ることができます。
5.合格者の認定手続き
合格者のみ3,500円を認定料として支払います。
合格証明が発行されます。
クラス認定証が届くまでに他会場で受験する場合は引き換えに受け取った合格証明を会場受付に提示してください。
1ヶ月程度で合格認定証(賞状)・クラス認定カードが郵送されます。
6.サーフィン検定のスケージュール
7.まとめ
今回はサーフィン検定について解説しました。
サーフィンの級を持っていると、自分の現在のレベルがわかるとともに、サーフィンに情熱的に取り組んでいると思われます。
知識も広がり技術面も向上します。何よりモチベーションにもなります。
初心者サーファーでも充分受験できるのでルールを把握したり、マナー知識を広げる意味でも受験することをおすすめします。
ステップアップする楽しみもあるので着実に実力もつきます。
こんにちは!サーフィン大好きRYO(RYO@波乗り生活.ナミカツ)です。