ドルフィンスルーはサーフィンに必要なスキルの一つです。
海外では一般的にダックダイブ、(ダックが水に潜る)と呼ばれています。なぜか日本ではドルフィンスルーという呼び方が普及しています。
沖に出る時に前からくる、スープ、崩れてしまったパワーのある波の下にもぐりやり過ごすスキルです。
コツをつかめばスープのパワーで岸側に戻されにくくなっていきます。
初心者サーファーは習得に苦労するスキルの一つではないでしょうか。
そこにはドルフィンスルーのやり方に関する誤解があるかもしれません。
今回はダックダイブ、ドルフィンスルーのコツ、やり方について解説します。
この記事の内容
1.ドルフィンスルーの勘違い 初心者サーファーが苦労する理由
ドルフィンスルーと言えば前からくるスープの下をくぐり抜けスープの前に出ていくというイメージが強いと思います。
実は初心者サーファーが苦労する原因の一つがこのイメージに対する誤解があります。
スープの下に潜り、スープの裏に出てくる。これは間違ってはいませんが、難しいスキルになります。タイミング、経験が必要になります。
初心者サーファーに特に意識してもらいたいのはスープの下をくぐるイメージではなく、スープの下にもぐる事です。
もぐっている間に自分の上をスープが行き過ぎていく。行き過ぎたら上がってくることです。
前に出る意識が強すぎるともぐるのが浅くなりスープの途中で上がってしまい大きく戻されてしまいます。
John John Florenceのこの動画のようにもぐり続けていられればドルフィンで戻されません。
トレーニング動画ですが、このイメージを持つことが特に初心者サーファーには大切です。
2.ドルフィンスルーでもぐるコツ
ドルフィンスルーで深く潜ることができれば自然と自分の上をスープが抜けていきます。
それでは、どのようにすればしっかりもぐることができるのでしょうか。
コツとしては向かってくるスープの手前までしっかりとパドリングで進み、スープの手前でノーズ側に手をずらして、ノーズを沈めます。
この時にどちらかの手を前にずらすと、もぐりやすくなります。
前の手でレールをつかみ、テールに足を乗せてノーズから水にもぐり込みます。
もぐれたなら上がることを意識せずできるだけ水中にいるように意識してください。
これだけで戻されにくくなります。
またテール側を沈めた際に、ボードに乗せてない足で水を上にけるとより深くもぐることができます。
この動画が非常にわかりやすいです。
しっかりと左足で水をける事で深く潜ることができます。
3.ドルフィンスルーの方法
ドルフィンスルーに対するイメージはおわかりいただけましたでしょうか。
次は実際にゲットの際のドルフィンまでの手順を解説します。
3-1.ドルフィンする位置までしっかりパドリング
ゲッティングをしていて前の方で波が崩れてきたら、ドルフィンスルーをするべきポイントまで、しっかりとパドリングで進みます。
しっかり進んでいる事により推進力が生まれてもぐりやすくなります。
3-2.ノーズをつかみ沈める
ポイントにきたら、左右の手を少しずらしてノーズを沈めます。
直後にテールに足をかけて沈め、開いている方の足で水を上に蹴り上げより深く沈みます。
3-3.水中にもぐっている時間を長くとる
この段階で浮かんでくるのではなく、できるだけ水中に長くいることを意識します。
深く長くもぐっていられれば体の上をパワーのあるスープが行き過ぎていきます。
3-4.ノーズから浮かんでくる
波が行き過ぎたら、ノーズからゆっくりと浮かんできます。
初心者のうちは水中に長くもぐっていて、波をやり過ごせたら、特にノーズから上がってこなくても問題はありません。しかし、今後のドルフィンスルーのスキルアップのために徐々にノーズから綺麗に上がってこられるようにしていきましょう。
4.サーフボードの浮力
サーフボードの浮力が、適正体重よりもかなり多くなっていると、ドルフィンスルーをすることが難しくなります。
浮力がある分、沈めるのに体重、コツが重要になってきます。
自分の適正体重のリッター数より大きすぎる場合は練習用にリッター数の少な目のボードがあるとなお良いです。
コツをつかめれば多少浮力の強いボードでもしっかりとドルフィンスルーすることができます。
体重 | プロサーファー | 初心者(テイクオフマスター済み) | 初心者(テイクオフ練習) |
40Kg | 17.0L | 25.5L | 34.0L |
45Kg | 18.0L | 27.5L | 36.5L |
50Kg | 19.5L | 29.0L | 39.0L |
55Kg | 20.5L | 31.0L | 41.5L |
60Kg | 21.5L | 32.5L | 43.5L |
65Kg | 23.0L | 34.5L | 46.0L |
70Kg | 24.5L | 36.5L | 49.0L |
75Kg | 26.0L | 39.0L | 52.5L |
80Kg | 28.0L | 42.0L | 56.0L |
85Kg | 30.0L | 45.0L | 60.0L |
90Kg | 31.5L | 47.5L | 63.5L |
95Kg | 33.5L | 50.0L | 66.5L |
上の表が初心者サーファーのレベルにあった適正浮力です。
テイクオフ練習用の浮力のボードではドルフィンスルーの最初の練習は難しいですが、初心者(テイクオフマスター済み)の浮力なら充分練習可能です。
5.ドルフィンスルー以外のスープ回避方法
ボードの浮力が強すぎる場合はドルフィンスルー以外の回避方法もあります。
ショートボードなら練習次第で基本的にはドルフィンスルー可能ですが、ミッドレングス、ロングボードのように物理的に難しい場合は試してみましょう。
5-1.プッシングスルー
ボードの上で腕を伸ばし、ボードと体の間に波を通します。
波が小さい時、パワーがない時は体力を使わず済むので有効です。
5-2.ローリングスルー
ロングボードなど浮力があって沈められない場合使います。
ボードごと亀のようにひっくり返りスープをやり過ごします。
5-3.ダイビングスルー
周りに他のサーファーがいないことをしっかり確認してボードを離して自分が水中に深くもぐります。あまりにも波が大きかったり、パワーのあるリップが崩れてくる真下の場合など、ドルフィンスルーでは抜けられない場合に危険回避のために行います。
6.まとめ
今回はドルフィンスルーの勘違い、簡単に行う方法について解説しました。
ドルフィンスルーは数こなせば必ず上達します。
ドルフィンスルーが上手くなればゲットが楽に行え、アウトに出ても体力の消耗も少なく、たくさんの波に乗ることができます。
まず、イメージとしてしっかり沈むことを意識して練習していきましょう。
こんにちは!サーフィン大好きRYO(RYO@波乗り生活.ナミカツ)です。