サーフィン初心者が辛くなってしまいやめていく理由の一つにゲットアウトがあります。沖(アウト)でブレイクする波に乗るためにパドルでアウトに出ていくのですが、ただ何もない海面をパドルアウトしていくならさほど辛くありません。しかし波にパワーがあったり、サイズが上がってインサイドにスープが押し寄せている場合は、そのスープを抜けてパドリングしてアウトに行かなければなりません。このゲットの辛さに耐えられずやめていってしまうサーファーが多いのが事実です。そこで今回は特に初心者サーファーがなぜゲットアウトに苦労するかについて解説していきます。
この記事の内容
1.サーフィン初心者が沖に出るべきか?
サーフィンを始めて間もないパドルもままならないサーファーが沖に出ることは良いものなのでしょうか?
答えはYESです。しかし条件もあります。波の大きい日、混雑している海ではアウトに行くべきではありません。思い通りに動けないので周りのサーファーに危険を及ぼすとともに自分自身も危険になります。
空いていて、波も比較的穏やかな時に、パドルの練習がてらアウトを目指すのはとても良い練習になります。インサイドでひととおり練習したらアウト、沖に出てうねりから波に乗る練習をしましょう。スープでテイクオフの練習をするよりも、波の状況によってはうねりから波に乗るほうが簡単な場合もあります。
2.初心者サーファーがゲットアウトに足りないたった一つの事
波のサイズが上がり、アウトまで遠くその間にスープが何度も押し寄せてくる。このような状態の海に入ったこともあるでしょう。あまりにも波数が多くスープが分厚い場合はクローズアウトと言って入れない状況です。そうでない場合、アウトの波が良いのはわかっていても、ゲットが厳しい場合、まず自分の力量を考えて下さい。ゲットできなそうならやめてもう少し落ち着いたポイントに入るか、その日は入らない事も選択してください。そこを考えたうえでゲットを決めたなら、まず大切なことは海をじっくり観察することです。海面状態、流れ、ブレイクの位置。また重要なのが、ゲットしていく上級者サーファーを観察することです。彼らはいとも簡単にゲットしていくでしょう。初心者サーファーに足りないのがこの観察するということなのです。
2-1.じっくり海を観察する理由
ではなぜ観察が必要なのでしょう。上級者がゲットを簡単にしていくのはなぜでしょうか?彼らは体力があり、パドル、ドルフィンスルーが上手なのでゲットが簡単にできるのでしょうか?それも勿論ありますが、それよりも上級者は海を知っているということなのです。その日、そのポイントでのゲットしていくべき道筋を知っているのです。初心者サーファーで多いのが海の観察をしないでむやみに向かいたいブレイクの真正面からゲットしようとすることです。これでは何度もドルフィンをして、また流されたり戻されたりして辛いだけになってしまいます。まず入る前に良く海を観察しましょう。その日の流れ、波のセットの周期、スープの強い場所、また弱い場所、テトラポット等、人工物の周りなどを観察してみましょう。慣れてくればゲットする道筋が見えます。わかるまでは上級者のゲットする道をよく観察して真似てみて下さい。
3.ゲットの道筋を探す方法
初心者サーファーに最も足りないのは観察するということです。海を観察してゲットをできる限り楽にする道筋を探すコツについて解説します。前述したようにまずは上級者の道筋を観察して、道筋を探すコツと合わせて見るようにすると楽にゲットができるようになるでしょう。
3-1.アウトカレントを探す
ゲットするのに一番楽な方法はアウトへの流れを利用することです。このアウトカレントに乗りながらパドルアウトすると、驚くほど楽にゲットできます。波を良く観察すると一本の波がブレイクしてもスープが薄い部分、またはスープにならない部分があります。ここにアウトカレントが発生しています。もう一つは海面状態が違う場所があります。例えば全体的にざわついている海面なのにある部分だけざわつきがなく面がきれい、その逆もあり、面ツルでも、ある部分がざわついてるような場所にもカレントが発生しています。この流れを探します。
3-2.人工構造物がある場所
海の中に堤防、テトラポットなどが入ってるポイントの場合そのすぐ横はアウトカレントが発生しやすくなっています。ローカルサーファーなどはこれを良く知っており、テトラ脇などからゲットしていきます。ただし、初心者サーファーの場合人工物のそばのゲットは注意が必要です。アウトカレントが発生するのと合わせて、テトラなどへ吸い込まれていくようなカレントも発生しやすいので、あまり近づき過ぎないように十分注意してください。
3-3.セットの周期を見てゲットしましょう
波が来るタイミングには周期があります。セットとは波がある一定の周期で何本かまとめて入ってくることを言います。アウトで待っていると大き目の波が何本か続けて入ってくることがあります。これがセットです。波が入ってくるには周期があります。この周期を観察してセットが入ってくるタイミングを外して、ゲットしていくようにしましょう。ドルフィンスルーをする回数を減らせ体力の消耗も防げます。
4.リラックスしてパドリングしましょう
初心者サーファーでゲットで疲れてしまう場合、パドリングをリラックスして行うように心がけてください。筋肉は使っていることを意識するとそこが疲れます。できれば背中から腕までリラックスして一部の筋肉を使っているという意識を持たないようにしてください。のんびり力を抜いて泳いでいくような意識でパドルしましょう。
5.ドルフィンスルーをマスターしましょう
波が上がった場合アウトに出るために必要なスキルがドルフィンスルーです。ダックダイブが世界的に通用する言葉ですね。ちなみにドルフィンスルーは日本独自の名称のようです。今回は統一して、ドルフィンスルーで解説します。初心者はこれを習得しなければそれ以上の上達が難しいので必須のスキルになります。是非実戦を通してマスターして下さい。
5-1.ドルフィンスルーとは?
ドルフィンスルーとはブレイクした波の下をくぐり抜けてなるべくインサイドへ戻されないようにするテクニックです。ゲットしている途中にスープが押し寄せてきた場合、パワーレス、サイズがない場合はプッシングスルーでも済んでしまいます。プッシングスルーとは向かってくる波に腕立ての要領で胸から上を上げて体とボードを離し、その間に波を通していくテクニックです。パワーレスなら、このテクニックでも戻されずに済みます。
しかし、サイズがありパワーがある波の場合はこの方法では大きくインサイドへ戻されてしまいます。そこでドルフィンスルーが必要になります。押し寄せてくるスープの下へもぐり、水中でスープが過ぎていくまで待ちます。こうすることにより極力インサイドへ戻されるのを防ぎ、早くアウトにゲットすることができます。
5-2.ドルフィンスルーの方法
ドルフィンスルーを成功させるには手順通りにいくつかポイントを押さえる必要があります。
1.スープが自分の方へ向かってきているときに潜るポイントまでしっかりとパドルを続ける。
2.ドルフィンをするポイントにきたら、自分の肩の横あたりのボードのレールをしっかりつかみ、ノーズから沈めていきます。
左右のレールを掴む時に右手が少し前、左手が少し後ろ(逆でもOK)になるように並行ではなくずらして持つようにすると沈めるときに力が入りやすくなります。
3.ノーズを沈めたらテールが浮かばないようにテールに足をかけてしっかりとテールを沈めていきます。
4.水中にできるだけ深く潜れるように沈め続け自分の上を波が行き過ぎたらノーズから水面に上がってきます。
水中にいる間にブレイクした波をやり過ごすようになります。うまくできるようになるまでは浮かんでくることは特に意識せず、できるだけ深く潜り、できるだけ長く水中にいることを意識しましょう。ドルフィンスルー中の水中の動きで極端ですが参考動画があります。ジョンジョンフローレンスの動画ですが、ずっと水中にいられる様な動きになってます。この動きを参考にすると水中に長く潜るイメージがつきやすくなります。
6.まとめ
サーフィンにゲットアウトは必須です。いかに疲れないようにゲットできるかで、その日波に乗れる本数はかなり変わってきます。せっかくアウトの波が良くてもゲットで、はまって体力が消耗してほとんど波に乗れないということの無いようにパドル力の強化はもちろん入水前に、海をじっくり観察してカレントを探し、できるだけ楽にゲットできる道筋を考えるようにしてください。また、それでもきつい時は(アウトに出ればやばい波に乗れる)と自分に言い聞かせもうひと踏ん張りしてみましょう。正直なところ、どんなエキスパートでもゲットで、はまり辛い時は必ずあります。気持ちが折れないこともまた重要な要素です。たくさん練習していい波に乗れるように頑張りましょう。
こんにちは!サーフィン大好きRYO(@RYO89156276)です。